ランニングをしていて目の前に上り坂が見えてきたあなたはどう思われますか?
「よしっ!がんばるぞ!!」と意気込む方がいる一方で「大変そうだな~」と苦手意識のある方も多いのではないでしょうか。そんな上り坂での足の負担を半分にするために意識して動かす箇所はどこだと思いますか?
それは、腕振り(肩甲骨)です。
上り坂を走り切るために頑張ろうとすると足に力を入れて、足で登っていこうとしてしまいがちです。しかし、それでは坂を上り切ることはできるかもしれませんが、足が疲れてしまってその後が続きません。腰も落ち姿勢が悪くなり、更に足への負担をかけてしまうことに繋がります。
そこで、上り坂に入ったら、腕振りを斜め上へ引き上げるようなイメージの振り方に変えます。「ランニングは上半身が9割!!上半身を鍛える筋トレ3選」でもお伝えしたように、腕(実際には肩甲骨)を動かすと連動して骨盤が動き結果として足が動きます。そして、斜め上へ引き上げることで、状態を上に持っていき、腰を高い位置で保つことができます。足の使い方は変えずに、腕でコントロールしているので、足への負担を軽減することができます。
その際の視線は気持ち低めにします。頂上を見て走ると、顎が上がり反るような姿勢になってしまい前傾姿勢が取れなくなります。また、頂上までが遠い場合、「まだこんなにあるのか」と気持ち的にも疲れてしまいます。ただし、前かがみになり、腰が下がらないように注意する必要があります。
静岡市では毎年4月に「日本平桜マラソン」が開催されます。お正月にテレビ中継される箱根駅伝に参加される有名な大学の学生も「仮想箱根」ということで参加されます。スタートしてから頂上までの約10kmはずっと上りで、その標高は250mにもなります。上り切った後は下りと平坦が続く、トータル約23kmの大会です。
2019年の大会では、この走法を意識して出場しました。2018年に参加した時と比べると、頂上についた時の足の疲労度が全く異なりました。その結果、後半の下りと平坦な区間では、ペースが一切落ちず、他のランナーをどんどん抜いていくことができました。
それもそのはず、他のランナーは上りで足を使い切ってしまっているのですから。(他のランナーとの比較はあくまでも足への負担が減ったということをお伝えしたかったということなので、勝ち負けというお話しではないことをご理解くださいね。あくまでも、過去の自分との勝負、鍛錬です。)翌日も、太もも前の痛みは軽い筋肉痛があったものの、普通に階段の上り下りはできました。足への負担がかかっていないということを実感した瞬間でした。
上り坂が見えてきたら、足を使わず腕を斜め上方向に引き上げることを意識して上半身で上る事を意識してみてください。
坂道が楽しくなるはずです。