ランニングのタイムに伸び悩む40代から始めるトレーニングの仕方

どんなスポーツもトップ選手の多くは20代がピークで、30代になると引退していきます。第一線で戦っている人たちは年齢によるパフォーマンスの低下を抑えることは難しい事でしょう。しかし、一般市民ランナーの私たちは、年齢によるパフォーマンスの低下を抑え、タイムを更新し続けることができます。とはいえ、40代になるとタイムの伸び悩みを感じる方は多いのではないでしょうか?そこで、今回は、ランニングのタイムに伸び悩んでいる方に取り入れていただきたいトレーニングの仕方についてお伝えしようと思います。

 

ランニングのタイムに伸び悩む40代から始めるトレーニングの仕方

年齢によるパフォーマンスの低下の一番の原因は、カラダの何が低下することだと思いますか?

 

それは、速筋です。筋肉には、瞬間的に強い力を出す速筋と、継続的に力を出し続ける遅筋があります。筋肉を構成している筋繊維は20歳をピークに年々減少していきますが、遅筋に比べて速筋の方が多く減少していきます。トレーニングによる筋力増加量が年齢による筋力減少量を上回ればパフォーマンスは向上させることができますが、年々トレーニング強度を強くしなければならずどこかで限界が来ます。

 

それならば、タイム更新は難しいのではと思われると思いますが、ここで注目すべきことは「遅筋は筋繊維の減少が少ない」ということと、「多くの方が速筋を鍛えるトレーニングを行っている」ということです。

 

トップ選手は肉体を限界まで鍛え上げてタイム更新を図ります。そのため、速筋も遅筋もピークまで鍛え上げてしまっているので、40代以降でタイムを更新することは正直難しいと思います。しかし、一般市民ランナーの方は、ピークまで鍛え上げていないので伸びしろがたっぷりあります。さらに、速いペースで走るトレーニングをしてきた方は速筋を鍛えてきた割合が多く、遅筋の伸びしろがさらに多く残っています。

 

そのことから、ランニングのタイムに伸び悩む40代の方が取り組まなければならないトレーニングは「遅筋を鍛える」ということになります。

 

遅筋を鍛えるトレーニング法

遅筋は、有酸素運動を行うことで鍛えることができます。有酸素運動は、呼吸によって取り入れられた酸素を使ってエネルギーを生み出し続ける運動です。そのため、呼吸が速くならないペースで走る必要があります。大きく深くなる分には構いません。ポイントは呼吸の速さです。大きく深くなっても呼吸のリズムが速くなければ、酸素を使ってエネルギーを生み出し続ける有酸素運動を行うことができます。

 

いっぽうで、呼吸が速くなるペースで走ってしまうと酸素の供給が追い付かず、酸素を使わずにエネルギーを生み出す無酸素運動になります。無酸素運動で鍛えられる筋肉は速筋です。速筋は、瞬間的に大きな力は出せるので、絶対的なスピードは上げることができますが、ランニングに必要な長い時間のスピード維持には向いていません。そして、その速筋は年齢により低下しているわけなので、速筋を鍛えるよりも遅筋を鍛えたほうが効果が出ます。

 

実際にどのくらいのペースで走ればよいのかというと、「呼吸」「タイム」「心拍数」の3つの要素で決めることができます。

 

呼吸

呼吸で決める場合は、呼吸が速くなりすぎていなければOKです。大きく深くなる分には問題ありません。呼吸が速いということは、エネルギーを生成するために必要な酸素の供給が追い付いていないという状況です。そのため、酸素を使わずにエネルギーを生み出す無酸素運動になっているということです。そのため、呼吸のリズムが速くなりすぎてきた場合にはペースを落として呼吸のリズムが日常生活と同じリズムで行えるように調整しましょう。

 

タイム

タイムで決める場合は、10km、ハーフマラソン、フルマラソンのベストタイムを使用してVDOTというものでLT閾値というものを算出して決める方法があります。LT閾値とは乳酸が多く出るギリギリのポイントを指し、その強度で走るということになります。

 

乳酸は無酸素運動を行うことで多く分泌されるので、有酸素運動と無酸素運動の運動割合を判断するのに有効な物質になります。その乳酸が多く出る一歩手前のポイントをタイムで設定しようというものです。有酸素運動で一番強度の高いタイムでトレーニングをすることで、タイムを伸ばすというトレーニングになります。

 

LT閾値の算出の仕方についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

コラム:ランニング初心者が10kmマラソンを完走するための練習方法

 

心拍数

心拍数で決める場合は、最大心拍数の70%~80%で走ります。最近のランニングウォッチには心拍計が付いていますのでそちらを確認しながら走ります。この70%~80%というのが無酸素運動よりも有酸素運動割合が多い運動強度の目安になります。しかし、心拍計では70%~80%だったとしても呼吸が速すぎるのであればオーバーペースですので、呼吸と合わせて行うと効果的かなと思います。

 

心拍数についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

コラム:心拍数でトレーニング効果を上げる!!心拍ゾーン別練習法

 

まとめ

 今、ランニングを行っている人は、生涯ずっと続けていきたいと思われている方が多いのではないかと思います。ランニングはタイムがすべてではないですが、タイムとの結びつきは強く、目標タイムがあることで続けるモチベーションになっていることも否定できません。だからこそ、無酸素運動の割合を減らし有酸素運動の割合を増やしたランニングを行っていく必要があります。

 

インターバル走やレペティションなどで強度の高いトレーニングを行うことも必要です。しかし、強度の高いトレーニングが多くタイムの伸び悩みを感じているのであれば、トレーニングのやり方を見直すタイミングなのだと思います。

 

生涯ずっとランニングを楽しむためにも、有酸素運動でのランニングを意識してトレーニングをしてみてはいかがでしょうか?

 

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ラングリット | 静岡

自信回復ランニングプランナー

古畑 健太